空間と世界を遊ぶマグリット美術館 、ベルギー旅行最終日 in ブリュッセル
こんにちは、きみちゃんです。
高校時代、美術の教科書に載っていた好きな絵はダリとマグリットでした。
それらの絵は、私の想像を膨らませ、ここではない別の場所へと誘ってくれました。それは音がしないという点と、どこか違う場所へと知らぬ間に、しかし強い力で連れてってくれるという点で、良質な小説と同じでした。
結構好きだったにもかかわらず、ベルギー旅行をするまで、マグリットがベルギー産まれの画家であることは知りませんでした。
定番のフリッツを食べて
(フリッツの美味しい感想の記事はこちらです。フリッツというよりサムライソース記事!?)
マネキンピスの本物を堪能した後、さてあと3時間くらいどうしましょうとなったところで、ガイドブックでマグリッドの紹介をしていることを見て、急遽美術館に。
いやぁ、美術館に行ってよかったです。
そもそも、グラン・プラスの周りとはまた違ったブリュッセルの整った美しい街並みを楽しめました。大抵、世界各国の美術館の周りは整備されていて気持ちの良いものですが、こちらも同様広々とした土地にでんという感じで美術館が建っていました。
そしてもちろん、大好きな画家の作品を生で、こんなにたっぷりと観れるなんて幸福このうえなかった。
ということで、超個人的感覚的に好きな作品をパチリと撮ってきましたのでご紹介です。
(こういう作品の写真を撮れるのも海外ですよね。日本でもモダンアートだと写真撮ってもオッケーのところはあるけど、まだまだ少ないと思います)
シェヘラザード。
とにかくとにかく美しいです。カーテンも、真珠のような輪郭も、コップの水の配置も好きです。千夜一夜話がふわふわ飛んでいっているようです。
教科書に載っていた絵はこれですよね。
鳥と卵のパターン。
木の中に家があって、木が扉を開いて、違う場所へと繋がっています。
海の絵を描いているのだけど、描かれている絵の方が現実で、周りの世界が仮想に見える。
青空の下の暗闇と光の世界。
どこにでもある風景を切り取って組合せるというのがマグリットですが、反対の時間が同じ一つの世界に共存していて、何かを沢山語っています。
はい、ゆっくり時を経ても、この作品が一番好きでした。つまり、この作品が一番私をどこか遠い世界へと連れて行ってくれました。
電灯の灯りがなんとも言えず良いです。
木の真ん中に月があるなんて素敵。
きっとたまには、こういう世界もそっと存在しているような気がする。
ただ見えていないだけで。
マグリットお馴染みの青空は、ほどよい不協和音を作り出すのがうまい。
とにかく美しい。
とりあえず好き。
以下、ウィキペディアから抜粋です。
“マグリットの生涯は、波乱や奇行とは無縁の平凡なものであった。ブリュッセルでは客間、寝室、食堂、台所からなる、日本式に言えば3LDKのつましいアパートに暮らし、幼なじみの妻と生涯連れ添い、ポメラニアン犬を飼い、待ち合わせの時間には遅れずに現われ、夜10時には就寝するという、どこまでも典型的な小市民であった。残されているマグリットの写真は、常にスーツにネクタイ姿で、実際にこの服装で絵を描いていたといい、「平凡な小市民」を意識して演じていたふしもある。彼は専用のアトリエは持たず、台所の片隅にイーゼルを立てて制作していたが、制作は手際がよく、服を汚したり床に絵具をこぼしたりすることは決してなかったという。”
彼の生活姿勢も、きみちゃんの好む点なのだなと思いました。
想像の世界では、誰もが自由で、誰もがどこにでも行ける可能性を持っているということを教えてくれているし、想像性は日常の平凡な世界のちょっと先にあるものだということを教えてくれています。
美術館に飾られたマグリットの写真も、粋な感じで展示されてありました。
期間限定の展覧会だったようで、このタイミングでこれてよかったです。
旅行時の美術館巡りは、もう一つ別の国に来たような新しい文化を見れる点でとてもお得な気になります。もしその美術に興味がなくても、興味がでる一つのきっかけになる気がいたします。
それにしても、グラン・プラスも、マグリットも、ピエール・マルコリーニも全て美しかったな、ベルギーは。